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京都 六角堂

  正式名称は紫雲山頂法寺というが、京都市内にある六角堂として全国的によく知られているように思う。聖徳太子が用明天皇2年(587)に創建したと伝えられ、華道家元池坊が住職を務め、いけばな発祥の地としても知られる。京都にある古刹の中でも非常に古い歴史を持つが、むしろ庶民の信仰の場として、またオフィス街の中の憩いの場として長く親しまれてきた。

 実際、市内中心部の烏丸三条の交差点から少し南に下ったところにあり、高層ビル群に囲まれながらも周囲と隔絶した異空間的な趣がある。門を超えて境内に入れば、まず六角堂の威容を目にするが、敷地周辺のビル郡と比べれば必ずしも大きな建築物には感じない。むしろ密集したビル群の中の適度な空隙というか、ポケットパーク的な静寂さと庶民的な賑わいとが入り交ざった歴史のある京都らしい信仰のための都市空間という様相を持っている。



 京都市内にはこうしたポケットパーク的な庶民の信仰の場が数多く点在する。実は日本の都市空間は小さな庶民のための祈りの空間が点在していたように思うが、城下町として整備されるに至って寺社建築が一箇所に集められた経緯もあるので、京都ほどは残されてないかも知れない。寺町通の蛸薬師や四条通の八坂神社御旅所のように、繁華街の中でもそれが当然のように維持管理されてきた歴史は、京都ならではの特徴だろうと思う。

 改めて境内を眺めてみれば、中央にそびえる六角堂は丁度その周囲を歩き回りやすく、法隆寺夢殿を思い起こすが、六角堂の方が遥かに大きく興福寺南円堂に近い印象を受ける。また華道発祥地らしく周囲には池坊会館等の施設が建ち、伝統と現代、庶民の信仰が融合された魅力的な景観を生み出している。道路を隔てた先の鐘楼も含めて、京都に住む人々にとって日常の風景だろうが、恐らく京都を訪れる人にとっても京都を象徴する小さな寺院のひとつだろうと思う。


六角堂へ向う門 六角堂手前の拝殿のような空間 六角堂周辺の様子