線香発祥の地、堺より、家伝の秘法に加え日頃から品質の向上に専念し、よい匂をお届けいたします

[ TOP ][ お問い合わせ ][ サイトマップ ]

堺から古寺巡礼

零陵香本舗 薫明堂 古寺巡礼

南禅院

 南禅寺の歴史は鎌倉時代に遡るが、日本最初の勅願禅寺とされ、恐らく清水寺と共に京都でも屈指の観光スポットであるのは間違いがない。歌舞伎『楼門五三桐』では石川五右衛門の名台詞として登場する三門は、今でも京都市内を一望できる名所であり、御所を移築した大方丈と方丈前の枯山水庭園も含めて見どころが多いので、当然観光客は常に多い。もっとも最近は、琵琶湖疏水の水道橋(水路閣)がドラマだけでなくアニメにも登場するほど有名撮影スポットとなってしまって、観光客の流れが少し変わってきている。さて、その水道橋を越えて階段を上がった先に南禅寺の奥院に相当する南禅院がある。

 この南禅院がかつて亀山上皇の離宮があった場所であり、弘安10年(1287年)に建立された際、南禅院と号したとされる。そういった経緯から、この決して大きくない別院が南禅寺の発祥地だとされている。南禅寺自体は東山というべきか山の麓にあって寧ろ岡崎の街を一望する少し小高い平地という印象だが、水道橋を越えて南禅院に入ると既に山中に入ったかのような自然の溢れた空間になり、様相が変わる。南禅院の見どころは、江戸時代に再建された方丈越しに眺める回遊式庭園だろうと思う。



 琵琶湖疏水の恩恵もあるかも知れないが、池の透明度が非常に高くて初夏にはモリアオガエルの卵が見られるほど、京都の寺社の中でも屈指の清涼さだろうと思う、本当の意味での京都の自然と街並みの境界上にある聖域といった趣きで、どの季節に行っても表情の違う自然の風景を満喫できる庭だと思う。ある意味、京都が1200年以上に渡って築いてきた美意識や文化が凝縮された象徴的空間と言えるだろうが、実は南禅寺境内の賑やかさと比べて訪れる観光客が少ないので、案外静寂さをゆっくり楽しむ事が出来る。

 よくローマの水道橋と比べられる南禅寺琵琶湖疏水の水道橋。周囲には桜と紅葉が植えられ魅力的なポケットパーク的な場所だが、南禅院はその水道橋の更に奥にある。実は知られざる絶妙な撮影スポットだとは思うが、池のアオガエルやイモリを思うと、このままそっと静かな方が良いのかも知れないとも思う。


秋の南禅寺三門 南禅院 方丈から庭を眺める 南禅院の池